卒業式


大阪市職業指導センターが行っている「介護職員初任者研修」に去年の7月から行き始めた30歳代男性。
彼とは、シェルターで野宿しているときから関わるようになり、かれこれ2年になります。
居宅生活を送れるようになってからは、療育手帳(知的障害中等度)を取得して、授産所に通所していました。
ただ・・・
部屋が片付けられず、入口が塞がるほどのゴミ屋敷に・・・

何十年も歯磨き経験が無いので口臭が・・・

お金を持つとすぐに散財してしまう・・・

Hippoの事務所に来るたびに私は、
「風呂に入りやー!!」「歯磨きした?」「またお金遣いすぎてー!!」
と、なんだか「うっとおしいお母さん」のよう・・・

そんな彼が「介護の仕事につきたい!!」と言い出したとき、
「いやいや、自分のことができてないのに、人の世話なんて・・・

と心の中で思いながらも、「まあ、やれるもんならやってみたら!!」と、かなり意地悪な私・・・。
「途中で挫折するんじゃないかな・・・」と内心思いながらスタートしたわけですが・・・
なんと8ヶ月の講義+実習+試験をクリアして、3月から介護現場での就職が決まったのです


この8ヶ月間、彼が頑張ったのは言うまでもないですが、彼の頑張りを支えていた人もたくさんいます。
①介護研修の担当スタッフ
②介護ヘルパーさん
③授産所スタッフ
④サポーティブハウスのスタッフ
⑤役所のケースワーカーさん
⑥障害者の相談支援員さん
⑦Hippoのスタッフ
定期的にカンファレンスを開きながら、いろんな人が、金銭チェック


いろんな人が関わることで、彼の「できない


苦手な部分は手伝ってもらったらいいし、それを理由にやりたいことに制限をかけることもないんだと、教えてもらったような気がします

卒業式に、彼の晴れ晴れした表情を見て、ウルッと涙ぐんでしまいました
