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さいちりょう。

 お酒の治療ってむずかしい。

お酒の専門治療は、毎日通院・ミーティング参加・自助グループ参加など
いろいろプログラムはあるけれど、そういう集団療法にのらない人っていっぱいいる。

認知症がすすんでいたり、知的障がいがあったりで
他の人が話している内容を理解するのが苦手であったり、
人前で話をするのが、すごく苦手で負担がかかったり、理由はいろいろ。

ただ、アルコールを飲むと、けがをしたり、お金をおとしたり
記憶がなかったり、暴れたり、えらいことになっている。
アルコールをやめないといけないと思っているけど、やめられない。

やっぱり、治療が必要。さて、どうするか。。。

まずは、お酒を飲んでの問題があることをわかってもらわないといけません。

アルコールを飲んで、けがをした、お金をおとしたなど
何度か繰り返して、大変なことになっているのをわかってもらって。

それが、アルコール飲んだときにおきてることも、わかってもらって。

で、アルコール飲み続けたらどうなるんだろう…、ものわすれとか、…
不安だねという話をして、アルコールをやめる話をする。
また、今まで飲んできたこと考えたら、一人でやめれないし、…
ということで、精神科に一緒に行くことになります。

そこで、精神科のお医者さんから“アルコール依存症”という病名を言われ、
本人、ガビーン 、病気なんだ…とショックを受けて。
また、精神科のお医者さんから、このまま飲み続けていたら、
脳がちぢんで物忘れひどくなるけど、飲み続ける or やめる と選択を迫られます。

で、やめますということで、治療が開始。
お酒やめ続けるために『お守り』として、その薬を飲んでお酒を飲んだら、お酒が飲めない人のように、顔が真っ赤になったり、動悸がする、抗酒剤というものを処方。
眠れなくなったり、イライラなど離脱症状が出ることもあるのでその処方も。

毎日、うちの事務所に来てもらい、目の前で抗酒剤を飲む生活がはじまります。

ただ、お酒何日かやめると、「お酒やめれるから、薬いらないし、治療必要ない!」と。
『お酒が飲みた~い』というのもあるのかもしれませんが。

で、治療が中断してしまう。今回紹介しようと思うケースはこの繰り返しです。

再度、アルコールの治療をはじめるには、お酒の失敗を積み重ねるしかない。

治療中断すると、ちょっとはお酒やめてるんですけど、1か月くらいで飲み始める。
最初は、『ん?酒臭したかな?』からはじまる。本人に「お酒飲んでない?」ときく。
本人は、「飲んでないよ」というのですが、飲む頻度が増えてきて、
お酒を飲んだ状態で、「お金ください」と事務所に来るようになる。
お酒飲んで来たらお金は渡せないというやりとりを、何回かする。
お酒を飲んでないときに、本人に、お酒飲んで事務所に来たことを伝え、注意する。
そのうち、飲酒して事務所に来る回数がさらに増え、「金ださんかい!」にかわる。
お酒をのんでないときに、本人に、お酒飲んで事務所に来たけど、お酒やめれないかなと。再度治療がいるのではないかと。
本人、「お酒はやめれるから、治療はいいです」という。
最後は、事務所の前で「金だせや!!」で、事務所の前で うゎーとなります。
この状態、本人何も覚えていません。いわゆる、ブラックアウト。
飲酒量も多いので、足もとふらふらなのに、威勢のいいこというので、
身体を抑え込まないと、けがすることもあります。
ちなみに、 は性別 ですが、じいちゃん抑えこみます。
そのぐらいの力しか、じいちゃん力が入りません。
さらに、すごいことしたと思ってもらうことも含めて、 を呼ぶことも。
そうすると、えらいことしたなと、お酒がぬけたとき、より効果的に思ってくれるので。

こんなやりとりをしながら、再度治療をしないといけないね、と
福祉のケースワーカー、アパートのスタッフ、 のスタッフ
みんなから言われ、「やっぱり、治療しないと…」という言葉をもらって、
再度、精神科受診して、治療が再開されます。

久しぶりに、病院に行って、精神科の先生から
「久しぶり。(お酒やめるの)あかんかったか。」と言われました。

アルコールの治療ってこの繰り返しかもしれないな~と思います。
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困窮者総合相談支援室Hippo.(ひぽ)

Author:困窮者総合相談支援室Hippo.(ひぽ)

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