ちりょうのすたーとにも。

①アルコール依存症で治療を受けても飲酒を否認するケース
お酒を飲むと、記憶をなくして、服はドロドロ、お金はどこでどう使ったかわからない。
明らかにお酒の問題があるので、精神科から抗酒剤をもらって事務所で服薬。
お酒以外の精神科の疾患もあるので、集団療法にはどうしてもはまらない。
ただ、断酒継続するために、昼間の時間、作業所に通所しているけど、なかなか。
あんしんさぽーとも利用しているのだが、計画的にお金を使うことが難しく、
衣類など購入して浪費したり、新聞代でと渡したお金が借金返済に充当される。
何度言っても、浪費と借金返済を繰り返す。
自分の欲望のためにお金を使ってしまい、そのあと、「ごめんなさい」ではなく、
いろいろ、うそをついて、あんしんさぽーとから出金することを考える。
また、お酒に関して、治療していても飲むことは、よくある。
アルコールの治療で、再飲酒することは、当たり前と思っている。
飲酒してしまったことを認めて、再度飲まないようにどうするかが大事。
ただ、彼の場合は、飲酒したことを「飲んでいない」といいはる。
搬送先の病院の看護婦に、飲酒していたとおしえてもらっているのに。
お金のことも、お酒のことも、うまくいかなかったことを認めて、
再度そうならないように、どうしていこうか…というところから
話ははじまるので、認めないのではじまらない。
ということで、利用しているサービスに依存しているだけの状況がひろがる。
結局サービスをすべて、ストップせざるをえない。本人が困ることは百も承知。
本人は、福祉事務所のケースワーカーのところに行き、
「自分でやれる自信はついた」と話をしている姿をみかける。
治療のスタートラインにも立っていないので、「ふりだしにもどる」を選択。
野宿状態になってから、再度考える以外ないのかな~と思う。
そこまでいっても考えられないのだろうか…とも思う。
②サポートできないサポーティブハウス
サポーティブハウスって何?という人は、
以前のブログ( さぽーてぃぶはうす。

簡単に言うと、簡易宿泊所(ドヤ)を転用した支援付住宅ですよね。
サポーティブハウスにもいろいろあります。
ブログで紹介しているサポーティブハウスと違う、
新しくできたサポーティブハウスでの事件。
住宅なので、生活場面で、生活、どんな感じか様子をみてもらうわけですが…。
入居時に、アルコールの問題あるよな~と思っていたのですが、
本人が飲酒していないと言い張るので、お酒の問題が表面化しないと難しいかな…
という話をサポーティブハウスのスタッフに確認して、時期が来るのを待ちましょうと。
「何か変化があったら声をかけてくださいね」とお願いした。
今日、スタッフに道で会って
「最近、Aさん、ごはんを買いにいくのが大変で、お酒も買いにいってるんですよ…」と。
『えっ、アルコールの問題があるのに…』と思い、サポーティブハウスの社長に連絡。
Aさんに会いに行こうと思ったら、朝すでに救急搬送されて入院していると。
アルコールの問題があるのに、本人に言われたらお酒を買うの?
変化があったら声をかけてくださいと言ったのに、こちらがきかないと言わないの?
生活の状況を任せてお願いしていたのだが、
アルコールの問題がでたら、アルコールの専門病院で治療を思っていたのに。。。
ケースに対する方向性も違うし、情報があがってこないので、
サポーティブハウスの社長には、一緒に支援する社会資源ではないことを伝えて、
入院している本人と話をして引っ越し。
③アルコールの治療の必要な人を殺す手伝いをするカフェ
アルコールの問題があるケースの近所に、
『みんなで語りあうことを大切にする』なんてコンセプトで、
カフェといいながら、お酒をだしている場所がある。
そのケース、過去にアルコールの専門病院で治療をしていたが、
うまくいかず、現在、内科の病院に不定期に通院していた。
いつも、お酒を飲んで状態が悪くなり、救急車で病院に入院、
そこでお酒をぬいて、元気になって退院し、またお酒を飲むという生活を
ずっとここ何年間か繰り返していた。典型的なアルコール依存症。
で、救急車で運ばれるギリギリ、動くのが大変になる時に
アルコール専門病院に入院して治療をしようと待っているのに、
毎回、本人が「救急車呼んで」と言ったら、呼んでいる誰かがいると思って確認したら、
そこのカフェに行っていたことがわかった。
なので、本人が救急車を呼びに来たら、おしえてくださいと言ったのに、
今回もこちらに連絡もなく、病院に入院していることがわかった。
本人が困っているから、よかれと思うことが、
ケースの身体をボロボロにし、結果的に「殺すお手伝いをしている」ということを
どうしたらわかってもらえるのだろうか…。
今日、再度、退院して救急車と言いに来たら、連絡をくださいという話をしようと思う。
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アルコールの治療は難しい。
本人がお酒に対して無力だとわからないと、治療ははじまらない。
それは、また、まわりの社会資源が、治療に対して同じ方向性をみて
協力してくれないことには、はじまらないといういうことを痛感する。