すまいる。

口の中に癌ができているから手術をしましょう…と、
最初に主治医から言われたのは、昨年の正月あけたころでした。
ただ、口だけではなく、リンパ節も切除せねばならず、
大掛かりな手術で、顔の形も変わり、リスクもあるという話をきいたら、
誰でもびびってしまうのは当たり前、ケースもびびってお酒を飲んでしまいました。
もともと、アルコール依存症で専門病院通院していたのですが、
飲酒したら、手術に対する不安がすごく大きくなって、「手術しない」と。
確かに、手術も大変、手術した後の治療も大変なので、それなら…と思った。
でも、手術をしないことには、確実に癌が大きくなって、亡くなることは確かです。
一緒に病院についていたスタッフが退職する時期と重なり、さらに不安定に。
そこで、退職するスタッフと選手交代で

手術するかどうか大事な話なので、癌がわかってからまめに連絡をとっていた
姉さんや弟にも話をしないといけないし、まずは酒をきらないと話にならない。
アルコール専門病院のワーカーとも相談、お酒がぬけるまで待ちました。
お酒がぬけて、いざ、再度、大きな病院の主治医の先生の予約を取り直し、
一緒に受診しにいったとき、先生開口一番「何を考えているんですか」と大声で
すご~く、二人で怒られたのを覚えています。ぶすっとして怖いなと思いました。
今から思えば、それだけ、ケースにも向き合ってくれて、心配してくれる先生。
再度、癌の状況の説明をきき、この段階で手術するリスクとしないリスクの説明を
ケースとお姉さんと

ようやく本人その気になり、すべての検査をクリアして、
入院する日が決まり、一緒に入院手続きしたのを覚えています。
再度手術前に、だいたいどのくらい時間がかかるのか、手術の説明を一緒にきき、
手術の朝ケースの顔をみて、ずっと病院で待ってられないとこちらの事情も説明し、
手術が終わる時間が近づいたら、手術室の事務から電話をいただきました。
手術時間は、11時間かかっていたと思います。病院に来たのは午後9時前くらい。
手術室の事務方から「先生から説明がありますから」と呼ばれて、
ドキドキして待っていたら、主治医の先生がマスクを外し満面の笑みで来られ、
「癌全部とれたし、うまいこといったよ」って言われ、大きな声で「よかった」と言って、
先生に「ありがとうございます」と何度も頭をさげてました。
主治医はたぶん40代後半くらいで、いつも難しい、仏頂面の先生だったので、
こんなに喜んでくれるんだと思った最初の場面でした。
それから、放射線治療など大変な時期を超えて、
また痛みから飲酒したときもあったり、いろいろあったのですが、
今日受診の場面で「具合どう?」と先生から聞かれ、
うちのケース満面のスマイルで「具合ええわ」と言ったとき、
先生も満面のスマイルで「そりゃよかった」とケースに話をされていました。
今年4月から勤務していた大病院から大学病院に戻られ、週1回だけ来られますが、
怒ったり、喜んだり、ちゃんとケースに向き合ってくれて、いい先生だなと再確認。
ありがたい先生です。