あえて、こまること…。

まだ3ヶ月ですが、その中でもいろいろ課題は出てくるものです。
うちの訪看部隊、指示書をいただいているのが精神科の先生からが多く、
「点滴」とか「褥瘡の処置」とか、具体的な指示をもらうというよりは、
まず本人のお宅にお邪魔して、状況をみて、何が困っていて、何が必要か、
訪看部隊がそれぞれ何をしていくのか考えを組みたてていかねばならず、
自由度は非常に高いけど、その分大変な部分もあるわけです。
精神科のケースの中には、病気と本人も周りも気づかず、未治療期間が長い、
お風呂も入れない、洗濯も、掃除もできない、偏った食事をとっている
という生活を長い期間してきて、それで本人が困るわけでもなく、
採血して、中性脂肪が高かったり、血糖値が高くて、食事をと伝えても
別に自覚症状もないから、今までの生活でいいんじゃないかと思う人もいます。
その人たちに対して、いろいろ提案してもなかなかのってこないし、
今まで人とかかわる機会も少なかったので、
ヘルパーはもちろん、短時間の訪問看護さえ、なかなか受け入れられずにいる。
困っていることがある場合、そこがきっかけとなりサービスをすすめることができる。
また、本人したいことがある場合、そこをめざしてサービスをすすめることができる。
で、じーっと引きこもりの生活をしていて、困ったことも、したいこともない場合
どこをきっかけで、サービスをすすめるか…


いろんな形で揺さぶりをかけ、困ったことをつくりだすのも1つの方法かな。
中には、「あえて困ったことをつくりだすの?」って思われるかもしれない。
訪問看護が入って、調子悪くなることをするの?って思われるかもしれない。
そうなんです、困ったことに気付くことって、調子が悪くなる可能性もありますよ。
でも、結局のところ、今の生活を続けていても、調子がよくなるわけでもないし、
生活の状況がよくなるわけでもないので、「化膿しているケガを、処方薬で治すというよりは、ちょっと手荒かもしれませんが切開して膿をだしてみる」ってな感じのことも考えます。ただ、これができるのは、調子が悪くなったとしても、受け入れてくれる先生と病院があるからなんです。
そんな信頼関係のもとで、訪問看護のチャレンジはすすんでいきます。