ふしぎなかんけい。

今まで、あまり行ったことがない病院とか、時々お世話になる警察とか、
余暇を楽しむためのイベントとか、教室とか、多種多様なところ。
この仕事をしてなかったら、なかなか経験することのない世界です。
そういう機会を提供してもらって、嫌味ではなく、有難いと思ってる。
自分が、仕事以外の場面で困っても、すでに体験済みなので、
スムーズに活用、サバイバルな生活で、しぶとく生きぬける自信が。
ただ、色んなところに連れて行ってもらえるのだが、
日頃から関わりがあるわけではないので、【常識】というものにぶつかる。
非常識な人間であることは、自他ともに認める。
私のことを知っている人は、思いっきり相槌、ポンとうつと思うけど。
ただ、【常識】って思っている以上に、厄介なこともある。
最近ほとんど行ったことない精神科病院に、ケースが救急で搬送されることがあった。
西成は特に、精神の疾患を抱えていることもあるのかもしれないが、
すぐ連絡のつく家族がいない人、結構多いし、私の中では、それが{常識}だった。
病院に一緒に行って、診察場面に同席したとき、主治医から、
「あなたとこの人の関係は?どこの立場の方ですか?」ときかれた。
精神科では、きっと家族かどうかが大事なんだろうなと思い、
「家族ではない、あかの他人です。」と答えて、眉をひそめられた。
ケースとのかかわりは何年もあり、最近、調子が悪く、
色んなエピソードがあることも、いろいろ情報は入ってきてた。
ただ、家族ではないので、何の権限もない。
また、ヘルパーでもケアマネでも訪看でもなく、制度にのった関係性ではない。
今まで、何度も辛酸をなめてきたので、最初に【常識】と闘ってみた。
この間の状況を主治医に伝え、入院が必要かどうか微妙なラインで、
本人が、鍵をなくして、深夜だったので、大家に連絡できない状態だった。
主治医から、あかの他人に声が、今日どうするの?と。
主治医が入院必要なしとなれば、帰る以外ないし、
鍵がない以上、一晩、事務所で一緒に夜を明かす以外ないです、と。
それも、【常識】からほど遠い発言だったようです。
そんなに、この関係は、不思議ですか?
これから、核家族化がさらにすすみ、結婚することもなく、一人で生活していたら、いつこういう場面に、自分が遭遇してもおかしくないと思ってます。
【常識】の壁は、鋼で囲われた要塞のようで。
ただ、そのケースもう退院したのですが、退院のとき、主治医から、次回受診のとき、あかの他人も受診一緒に来てくださいねと。
若干、【常識】の鋼が溶け出したような気になった。