いっすんのむしにもごぶのたましい。

いろいろあって、大学に入りなおして社会福祉を学ぶようになり、大学の授業も自分の興味のある講義しか参加しない、問題児に、「君、釜ヶ崎に行ったことあるの?ホームレス問題に興味ない?」と当時の指導教官に誘われるまま、大阪市がやったホームレスの調査に、どっぷりはまって、結局、高校生のときに来ていた釜ヶ崎にもどってきてしまった。
もどってきてから月日が流れ、15年くらい経つけど、人を相手にする仕事で、現場は毎日ちがって、飽きることもないし、楽しくやってる。ただ、毎日はそれで過ぎて行くけど、時々、遠くを見てしまうことがある。遠くをみると、この15年、この街には変わらず野宿をしている人がいるという現実をみる。
そういうとき、無性にザワザワずる。現場で仕事を続けても、何もかわらないんじゃないかって。もちろん、何かかわるとも思っちゃいないけど、自分から【腐敗臭】がにおっていることに気付く。
現場で毎日していることに対して、根本的な問題は社会のしくみだ!とか制度だ!とか叫んでも、叫んでも、現場の小さな虫ケラである自分の発言はどこにも届くことはない。夢をみる生き物ではないので、そんなもんだってわかっている。
ただ、あまりにもザワザワするとき、半年から1年に一回くらいのペースで、東京にいる、大学を退官した、この業界では、ちょー有名な名誉教授になられた先生にメールをする。指導教官になっていただいたこともないのに、結構、失礼なメールをだしてる。で、確実に返事が返ってくる。ありがたい。


めったに会うことはないですが、いろんなところで、いろんな人たちに支えられていると、いつもと違う視点で思う一日でした。