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いっすんのむしにもごぶのたましい。

 学生の頃、工学部で無機材料化学という聞きなれない専攻に所属していた。何のために、そんな専門にすすんだか、実は、ドラえもんの動力をつくりたいと思っていた。鉄腕アトムではないので、原子力ではなくてバッテリーだと信じて、電気自動車や携帯電話のバッテリーの研究をしてた。結局、「へたれ」なので、ものにならなかった。

いろいろあって、大学に入りなおして社会福祉を学ぶようになり、大学の授業も自分の興味のある講義しか参加しない、問題児に、「君、釜ヶ崎に行ったことあるの?ホームレス問題に興味ない?」と当時の指導教官に誘われるまま、大阪市がやったホームレスの調査に、どっぷりはまって、結局、高校生のときに来ていた釜ヶ崎にもどってきてしまった。

もどってきてから月日が流れ、15年くらい経つけど、人を相手にする仕事で、現場は毎日ちがって、飽きることもないし、楽しくやってる。ただ、毎日はそれで過ぎて行くけど、時々、遠くを見てしまうことがある。遠くをみると、この15年、この街には変わらず野宿をしている人がいるという現実をみる。

そういうとき、無性にザワザワずる。現場で仕事を続けても、何もかわらないんじゃないかって。もちろん、何かかわるとも思っちゃいないけど、自分から【腐敗臭】がにおっていることに気付く。

現場で毎日していることに対して、根本的な問題は社会のしくみだ!とか制度だ!とか叫んでも、叫んでも、現場の小さな虫ケラである自分の発言はどこにも届くことはない。夢をみる生き物ではないので、そんなもんだってわかっている。

ただ、あまりにもザワザワするとき、半年から1年に一回くらいのペースで、東京にいる、大学を退官した、この業界では、ちょー有名な名誉教授になられた先生にメールをする。指導教官になっていただいたこともないのに、結構、失礼なメールをだしてる。で、確実に返事が返ってくる。ありがたい。  この先生、本を出したり、原稿をすごく書かれているのですが、その内容を読んで、あ、下々、つまりは現場をわかってくれていると思える内容が端々に。 そこでも  ありがたい。

めったに会うことはないですが、いろんなところで、いろんな人たちに支えられていると、いつもと違う視点で思う一日でした。
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困窮者総合相談支援室Hippo.(ひぽ)

Author:困窮者総合相談支援室Hippo.(ひぽ)

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