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ははのおもい。

 この連休中にお母さんが亡くなったケースがいた。そのケース、母ひとり、子ひとりだったので、親族はいない。ただ、彼は今ひとりではない。

このケースとかかわるきっかけになったのは、約1年少し前のこと。

母親の年金で、別に住んでいる仕事に就いてない40代半ばの息子の生活費までまかなっていた。ただ、母親が高齢になり、倒れて救急搬送、入院して介護が必要な状態になったとき、二人の生活費は難しいと思い、ケアマネージャーさんから相談がきた。

生活保護の申請だけにとどまらず、今後、就労してもらうことも考えての支援を計画することになった。

結局、知的障がいの手帳(療育手帳)を取得することができたのだが、手帳もすぐとれるわけではないので、制度外で移行支援事業所に頼んで、20年ちかく働いてなかった、そのブランクをうめるために、かかわった当初から通所していた。

さぼることをしないで一生懸命働く姿を、ケアマネージャーさんに伝える。お母さんに伝えてもらったら、すごく喜んでくれたと連絡が来た。仕事帰りには、必ず、毎日母親のところには寄っていた。ただ、口下手で、気恥ずかしく、母親に頑張っているとは言わなかった。最初の工賃は、母親の腕時計を購入、プレゼントした。

母親のケアマネージャーから、あまりにも仕事のことを話さないので、息子がほんとに仕事をしっかりできているのか不安だということで、母親のところに  たずね、働いているときの様子を伝えたら、涙を流して、「もう大丈夫ですね」と喜んでくれた。

最近、二か所実習に行き、条件のよい方に就職することになるだろうから、お祝い考えてくださいね、と母親のケアマネージャーに電話で連絡、その後、お母さんが非常に喜んでいると連絡をもらった。それから1週間もしなくて、急に亡くなった。

部屋で倒れて意識があるときに息子が家を訪ね、救急に電話、一緒に病院まで行った。お母さんを助けてほしい一心で医者に「お願いします」と言ってたが、結局、お母さんのケアマネージャーと一緒に主治医の説明をきき、意識がもどらないから延命措置はやめようという話なった。

倒れても息子が来るまで意識あったし、就職のことも喜んでいた。いろんな人たちに支えてもらって、もう大丈夫と思って、最期亡くなったのかもしれませんねと、お母さんの顔をみるために集まった職場の人たちの顔をみて、ケアマネージャーさんが言った。

  … 母のおもい … か … 
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