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ここまでが。

 この1,2年をふりかえると、10年以上かかわっていたケースがバタバタと亡くなったり、癌などの疾患をかかえていて密なかかわりのなか、あっという間に地域で亡くなったケース、いずれも思い出たっぷりのケースが亡くなることが増えた。

 が働いている地域、大阪市西成区、特に釜ヶ崎(あいりん地区)では、単身で生活している人が多く、家族ともいろんな理由で疎遠になっている。昔の話をきくと、やんちゃして家族に相当迷惑をかけていたり、精神的な疾患を抱えて家族のもとから飛び出したり、当時はどうしようもなかったことではないかと思う。

ただ、自分の死期が近づいてくると、「家族に会いたい」という気持ちが強くなり、役所から連絡をとってもらったり、あの手この手でつながりを探して連絡する。

ケースが生きてる間にきてくれて、声をかけてもらい旅立つ人もいれば、亡くなってから葬儀に顔をだしてくれるご家族もいる。  にとっては、顔を見せてくれただけで感謝です。だって、今までの【わだかまり】を考えると、奇跡だと思ってます。

 ケースのためにも、来てくれた家族のためにも、最期どのような生活をしていたか、いいこともわるいことも、エピソードたっぷりで伝えます。亡くなったケースは謝れないけど、亡くなってからでも、かかえている【わだかまり】が少し溶けるから。

少しずつ溶ける【わだかまり】をみながら、 ここまでが  の仕事だと思ってます。しっかり、あの世におくりだせてますかね。

このしごとをしてて。

 今日、2ヵ月半ぶりにカットに行った。いつも行ってる店で2年以上同じ人を指名している。この人を指名する理由は、あまり何も言わなくても  の気にいったカットをしてくれる。自分のイメージからカットしてくれて、「もんちっちカット」と呼んでます。美容師さんのイメージは、  宝塚歌劇団で出てきそうな盛り具合ですけど。

カットしているときも、  楽しくない会話をしたくないので、黙って寝ているふりをしていること多かったんですが、彼女  の時は違います。仕事内容の話もするし、親の話もお互いする。自分の親が亡くなったときも話をして、彼女  の父親の話もきいて。

今日、父親が大病をかかえていて、在宅で最期をと、彼女  の母が主たる介護者で、彼女  も休みのときは介助しているという話になりました。往診や訪問看護、ディにも行ったり、活用できる社会資源を利用しているけど、直接、なかなかききにくいんで、きいてもいい?と言われ、カットしながらいろいろ話をしました。

入院中に床ズレができて、帰ってきて、食事量増やすために、お母さんが手料理をつくりミキサーにかけていると。お父さんのことで腹がたったら娘のところに電話をかけてきて、その話をきいてあげる娘。お互いがお互いをおもえる、すてきな家族です。

話をききながら、  からは、「困ったら、家に来ている専門家にきいたらいいし、相談したらいいと思うよ。でも、お父さん、何も言わなくても、もしかしたら何も言えないかもしれないけど、身体がお母さんや娘の愛をわかってるよ。幸せな最期を迎えれそうですね」というと、お母さんに電話すると言ってました。

 からも、「カットしてくれて、あと、やる気を少しくれて、ありがとう」とお礼を言った。

この仕事をしてて、仕事の場面だけではなく、人として…、と思える一日でした。

うちのほうかんは。。。

 西成釜ヶ崎で約20年、相談したり、生活支援をやってきた。20年もしていると、いろんなことがある。

最初は何もわからず勢いでつっこみ、途中何度もつまずき勢いだけではだめだと気付き、最近はできることをコツコツとやろうと自分の限界を感じ、そんな中、気づいたことがいくつかある。その中でも一番大事なこと。

日々の生活支援は、すごく大事。

日々の生活支援って何かというと、毎日事務所に来て、顔をみてお薬を飲んでもらって、お金を渡して、お互いの今日の状態を確認することです。

毎日顔をみていると、何も言わなくても、「あれ?今日はいつもと調子違うな」、声をきいても、「あれ?今日はいつもと調子が違うな」って変化に気づくことができる。

家族以上に毎日顔をあわせているケースがいっぱいいます。お互いの顔をみて、お互いの状況を把握して。長い年月をともにして、同じように年をとっていって。

うちの訪看は、日々の生活支援が基礎にあって、成り立っていると思っています。そんな特徴をもちながら、西成を中心に単身・高齢・障がいなどを抱えたケースに、精神科の指示でサービスに入っている訪問看護ステーションです。

今、訪問看護スタッフ(常勤・パート)を募集しています。
興味のある方は、(看護師募集       まで)。

しんじるちから。

 生きてくなかで、仕事の場面でも、仕事以外の場面でも、「どうしたらいいんだろう」「なんでこうなるんだろう」と思う場面は多々ある。

考えても考えても、方向性が見えなくなったり、しんどくなったり、いい方向にすすまないことは、多い。

そういうとき、  相手を信じてみようと思うし 自分のやってきたことを信じてみようと思うし  自身を信じてみようと思う。

それでダメなら仕方がないと思うし、悩まないで前にすすむことを考える。

時々、相手に対しても自分に対しても、信じる力が    してしまうことがある。いつまでも、下を向いてばっかりじゃ、ダメなので、前をむいて歩き出そうと。いつも通り自分のペースで。

さいごに。

 うちの事務所の上で生活している人で、ヘルパーサービス、訪問看護、今まで体調悪くなる前からかかわってくれてた仲間がいるケースが癌のために今週木曜日に亡くなりました。

最期を家で過ごしたいと言って近隣の病院から退院して、ちょうど4週間。

退院してから、 毎日  寝る前の安否確認と「今日一日を振り返って」=反省会をしに行ってました。

亡くなる前日まで歩いており、ほぼ毎日入っていた女性のヘルパーさんに、甘えて、だいぶごんたを言ってました。

ただ、最期亡くなる前もヘルパーさん来てくれて、痛みがでてしんどくなったケースの背中をさすってくれて、ケースから「幸せ者やな」と言われ、あふれる涙を一生懸命こらえて、声をかけてさすってくれました。素直に「幸せ者やな」と言えるケースにも、よかったねと。

最期、亡くなる4日前の日曜日に一緒に鶴橋まで、元気な時からかかわってくれていた人たちに連れていってもらい、彼らに見守られ亡くなりました。

訪問看護だけではできないこと、いろんな人たちに支えられて、痛みはあったものの、「幸せ者やな」と思ってもらえて、送り出すことができました。少し、 こころに穴あいてますが、痛みの生活から卒業できてよかったです。
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困窮者総合相談支援室Hippo.(ひぽ)

Author:困窮者総合相談支援室Hippo.(ひぽ)

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