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いろんなかたちのまいにち。

 毎日、寝る前の薬を夜8時から9時の間に持っていかないとケースがいる。
用事がない限り毎日行ってる。行っても薬渡す数秒顔をみるだけのことだが。
でも、それが毎日続くと、扉を開けるまでの時間、顔色、声などで、変化に気付く。

もちろん、そのケースの精神科の受診同行も行っているのだが、なかなか難しい。
決まった時間に寝る前の薬を飲めるようになったので、変な時間に眠剤を飲んで起こる、無意識でうろうろそとを歩くという現象はなくなったけど、ケースとの距離が縮まるので距離をとるように離れていかなければならない。
あと、この眠剤の配達、いつまで続けるのか、先が見えなくなってきている…。

そんなことに悩んでいるなか、このケースのところに薬持っていくのも…と思い、
去年、寒くなりだしてから、一人の野宿しているおっちゃんに声をかけはじめた。

今日みたいな寒い日は、大阪でも昼間雪が舞っていた。そんな日でも釜ヶ崎では野宿している人たちがいっぱいいる。この地域で働きだして、15年近くなるけど、野宿している人がいなくなるって考えられない。

中には、他のみんなから離れたところに、ポツンと一人で寝ている爺ちゃんがいる。
寒いので、カイロや温かい食事(おにぎり、うどん、カレー)をつくって持っていく。
もちろん、タバコも持っていく。タバコは食べ物以上に喜ばれるので。
毎日、しつこく、声をかけるので、顔をお互い覚える。

ちょっと話をするようになる。「ありがとう」、「おいしい」、「さむい」、など単語だけ。
一人でポツンといたり、車の通るすぐ横で寝ているおやっさんは、昼間同じところを通ってもそこにいることが多い。で、昼間も声をかけるようになる。昼間明るいところで声をかけ、表情を見る。こちらから話かけても、変わらず、単語をしゃべるだけ。

もしかしたら、認知症や何らかの精神疾患を抱えているのかなと思う。
様子などを、いつもすごく世話になっている、一番信頼している精神科医に相談する。 「連れておいでよ」 って言ってくれる。すごく とするのと、 という気持ちがわいてくる。

去年、寒くなってから声をかけていた、一人目の爺ちゃんは、先生のところで入院している。寒くないところで食事も食べれて、今日もあってきた。介護保険申請中。

二人目のおっちゃんは、今、毎日顔を見に行っている。食事だけでなく、明日、下に敷くように銀マットを昼間もっていこうと思う。「毎日来るね」と帰るとき声をかけたら、はじめて顔をあげてくれた。

いろんな形の「毎日」がある。
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困窮者総合相談支援室Hippo.(ひぽ)

Author:困窮者総合相談支援室Hippo.(ひぽ)

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