しょうがいをもって(じゅよう)③

誰でも、自分の「できないこと」を認めるのは、しんどい。
障がいを持っている人たちと接するなかで
マイナス部分の「できないこと」に目を向けるのではなくて、
プラス部分の「できること」に目を向けるというのは重々承知。
ただ50歳をこえて、「できること」って誰かの助けがないと、一人ではなかなか難しい。
今まで「おまえは、できない」と怒られ続けてきた人生だったろうし、
野宿しなければならないくらい大変な経験をしてきたことも、よくよくわかっている。
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過去に年金担保でお金を借り、パチンコで散在、現在あんしんさぽーと利用中。
知的障がい中度以外にも、てんかんをもっており、
調子が悪くなると、服薬ができなくなり、入浴もできず、皮膚疾患がでてくる。
そして、てんかん発作をおこし、さらに悪くなるという悪循環にはまってしまう。
1年近く前、体調を崩しこの悪循環に、結局、部屋で動けなくなるまで待って、
救急車で入院しなければならないという、つらい経験をした。
入院中に、つらい経験を二度としなくていいようにヘルパー利用をすすめる。
ただ退院したら、そのつらい経験はなかったことになり、「自分でできる!」に。
薬も飲める! 部屋も片づけられる! お金もできる! 仕事もできるよ!
ヘルパーよりも(僕のほうが)片づけられるのに、あんなやついらないよ!
支援している社会資源と相談して、一度仕事に行ってみては?ということで、
本人に、①しっかり薬を飲む、②約束した期間仕事にいく という約束で
支援しているみんなの前で話をして、知り合いの建築会社に働きに行った。
働きに行った週の週末、会社の専務が来て、「お金預かってるのだして」と。
計画的にお金が使えないから、社会福祉協議会に預かってもらっていると説明。
また、それから二日して、アパートの管理人さんから電話。
救急搬送されて病院に来てるが「入院しない」とわぁわぁ、迎えに行ってくると。
結局、仕事を約束した日にち働くことができず、帰ってきたのだ。
帰ってきて、数日は管理人さんやヘルパーさん、支援しているみんなに
「一人ではだめだ…」と話をしていたのだが、1週間位で「自分はできる!」に。
で、イライラしてパチンコで散在、自分の持っているものまで売り始める。
さらに、てんかんを隠して建設現場に行くのはダメという話をすると、
生まれつきなんだから仕方ない、仕事がなくなるから仕方がないと。
「逆の立場やったら、(自分)仕事雇う?」ときくと、黙り込む。
で、みんなで、てんかんがあっても、それをわかって働かせてもらうために
しっかり服薬して生活リズムをという話と、障がい者就労の話をするも、
作業所的なところは「給料が安く、僕はもってできるからいかない!」と。
お金を預かっている事務所に来て「金をだせ!」と30分、1時間。
また、管理人さんの仕事ができないくらい管理人事務所に。
結局、あんしんさぽーとで預かっている分から家賃など必要経費を引いた差額を
①服薬はかならず眼前でする、②お金を計画的につかう、
③使えなかったら必ず支援者に助けてもらって生活をする、という約束で全額渡した。
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正真正銘、お金がなくなれば、一人で生活するのは難しいと気づくのだろうか…。
振り出しにもどって、野宿からはじめることになるのだろうか…。
悩んでも、悩んでも、「もちろん」答えがでることはない、泥沼にはまってます。